日銀 変化球の妙
成長基盤基金倍増は市場は好感
今回の政策会合は、日銀にとっては意外に難しい命題を与えられていたと思います。日本の株式市場は欧米に比べて軟調であり、市場としてははっきりと日銀に追加の金融緩和を催促していました。少なくとも今回ゼロ回答では市場は大きく失望したと思います。ところが日銀としても今まで2年で2%の物価上昇という面においては順調に推移しているわけだし、経済指標の悪いものはありません。実際には追加緩和はやりづらかったと思います。しかし市場を失望させるわけにもいかない。そこで編み出したのが、今回の成長基金の倍増という変化球でした。成長資金は今までも上限いっぱいの3.3兆円まで利用されていますので、今後これを倍増させれば使われることは必至です。しかも4年で0.1%の金利ではただ同然です。日銀は今後この資金を30兆円まで拡大するというわけですから市場も好感するのも当たり前でしょう。今回は日銀の見事な変化球が功を奏した形となりました。